人間、何歳からでも夢中になれる‼️
父の車椅子を借りたくて、地域包括支援センターに相談に行った時のこと。
母はずっとパートを続けていて、父の入浴の日は一日がかりになるので休んだりしていた。
父は仕事を辞めてほしそうだったが…。
相談窓口の人に、
「お仕事されているなら、絶対辞めちゃダメですよ!
介護だけの人生になっちゃうから」
と、当時言われた。
父がだんだん歩けなくなって、自宅で過ごす時間が増えた頃、ずっとテレビばかり観てるだけの生活ではボケちゃうんじゃないかと、iPadでも使ってみたら?と勧めてみた。
父も満更でもない感じだったので買ってみることにした。
最初こそシニアの脳トレとかのゲームをやっていたけど上達しないのがわかるとすぐにやらなくなった。
その後父は入院になってしまったけれど、妹が母にLINEの使い方を教えておいてくれたおかげで、iPadは母が使うことになった。
看取りの病院を決める打合せもLINEでできたし、医師から聞いた話を録音してみんなに聞かせる事もできて、とても助かった。
電話でいちいち伝えていたら、通話料もかかるし大変だっただろう。
コロナ禍になり、小池百合子が「ステイホーム」を呼び掛けていたころ、
「小池百合子がYouTube観るように言ってたから、観てみたら?」と母に勧めてみた。
そうしたらその中で偶然、演歌歌手の山内惠介の動画を見つけたらしく、母はすぐに大ファンになった。
YouTubeで山内惠介の動画を観るのが日課になった。
「惠ちゃんカッコイイ、癒やされてる」と
何回もLINEがきた。
YouTubeで観るだけじゃ物足りなくなって、コンサートに行ってみたいと言い出した。
ネットでファンクラブの会員登録をするのは母にはハードルが高いので、姉が会員になって申し込んだ。
最初は姉と二人でコンサートに行っていたが、今では一人でいそいそと出かけている。
先日はディナーショーに行って、一緒のテーブルになった方に、連絡先を交換しようと言われたけどガラケーで電話番号の見方がわからなかったと。
来年はスマホに替えて、ファン同士の交流ができたらもっと楽しくなると思う。
こんなに何かに夢中になっている母を、初めて見た。
何十年もパート中心の生活、父が家にいたら、
「早くメシの支度しろッ!!」って言われてYouTubeなんて見る暇なかっただろう。
おくりびとのフューネラルさんのブログに、「女性は夫を見送ってからが最高の人生が始まります。」
と書かれていたけど、そのとおりだな、と思う。
(おくりびとの日記 「夫婦は一緒に旅立ちたい」2021.7.8より)
人間、何歳からでも夢中になれる。
79歳の母は、今が一番生き生きしている。