なんだか後味の悪い乳ガン闘病記
片野あかりさんの「三十路、独り身、リアル乳ガン闘病記」を図書館で借りて読んだ。
読了後、なんだかモヤモヤする闘病記だった。😓
20代、血の気が多く決めセリフ「丈夫だけが取り柄です」で徹夜は当たり前、休み月に1日はザラ、暴飲暴食は当たり前。
心が休まった日がなかったな…と。
30歳でフリーのコピーライターに。
寝ずに働き続けたらしい。
乳がんが見つかった時のくだり
半年ほど前から、胸に小さなシコリがあった。
その時は「ガンとかだったらどうしよう!」と怖くなってクリニックに検査に行ったのだが、マンモグラフィとか検査をして「良性」という結果が出ていた。
でも、心なしか大きくなっているような気がする。
イヤイヤ、気のせい気のせい。
5,000円の診察費だってもったいないし、時間があったら仕事!仕事だ。
それからまた1ヶ月、2ヶ月経ち…。
↓
「ああ、オタク、やっぱガンだったよ、ガンよ」
と、電話口でありえないカルさで、告知されたのだった。
…ありえない‼️😨と思ってしまった。
こんな医者、ホントにいるのか?って。
この本が発売されたのは2010年8月。
まえがきで「2010年8月の今、著者は何事もなく生きてます。」と書かれていたけど。
その後2011年2月に転移が発覚、12月に亡くなっている。
最初にかかったクリニックの対応、間違っていなかったのか?
モヤモヤしてネットで検索してみたら、10年も前の本なので、あまりひっかからなかったけど一つだけ気になるブログを発見した。
この方のブログ、ものすごく共感した。
医者に良性なんて言われたら安心してしまうだろう。
さすがにこの病院はヤバいだろうって両親が親戚の医者に相談して、大学病院を紹介されたそうだ。
そして検査の翌日から抗がん剤治療。
ウィッグしながら合コン行ったりとか、明るく闘病生活を語っていたけど、手術の結果はグレード3でイチバン進行が早い悪性度が高いヤツ。
ホルモン治療もハーセプチンもできなくて追加で抗がん剤、放射線治療。
親や友人から民間療法や食事療法を勧められ、やれる事は何でもやったと。
私は、とにかく生きたいんだ!
と書かれていた。
最初の医者の対応が、もっと違うものだったら…と思わずにはいられない闘病記だった。
ご冥福をお祈りします…
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(本文より)
先のことを悩んでいても、答えはないことが分かりきってるんだし、それで健康な体ですごす貴重な時間は減っていく。
昼ごはんを食べながら夜ごはんの心配をするような生き方をしていたら、いつまでたっても美味しくごはんを食べられない。
そうやって、奮発したデザートを台無しにしてしまったんだから。
ああ、本当に今この一瞬しかないんだな。
そう思うと、初めて息ができること、目の前に景色があることがあやうくも奇跡的なバランスなんだと感じた。
これが、ありがたいという感覚なのかもしれない。