ママ友とは
あるママ友がいた。
娘が小さかった頃からの付き合い。
話も合って、私は彼女が好きだった。
子どもたちが成長してからも、ずーっと付き合えるものと思っていた。
他のママ友は仕事をしている人が多かったので、「うちで集まっていいよ」と言って、うちで集まることが多かった。
一人っ子の娘のため、と思って私も少しムリして頑張った。
ある集まりのとき、彼女は仕事が休みだったので一番乗りでやってきた。
ワリカンの会費をすぐにくれるかな、と思ったけど何も言わなかったので、私も何となく言い出せなかった。
他のママ友がやってきて、続々と「会費いくらー?」と払ってくれて、そのママ友も財布をチラつかせたので、やっと払ってくれるのかと思ったら。
チラつかせただけで、終わった。
このとき、自分の友達だったら
「まだお金もらってなかったよねー?」
って言えただろう。
でもママ友は、友達とは違う。
ママ友は子供の年が近いだけ、の関係。
(だと私は思っている)
人によっては、良いママ友もいるけどね。
セコい女、と思われたくなかったのもあるのかも。
私はもう、完全に言うタイミングを失った。
二千円にも満たない額だったので余計に言いにくかった。
五千円とかだったら、さすがに私も言っていただろう。
他のママ友は酒飲みなので、気持ち良さそうに酔っ払っていたが、私は酒飲みではないし洗い物もあるし、そのことが気になって全然楽しめなかった。
私の中で、
「あー、もうこの後はないな」
と思ってしまった。
金の切れ目が縁の切れ目ってやつなのか。
これっぽっちのことで長年の付き合いをなくすのは…と思ったけど、次に無かったこととして笑うのは、もう私にはムリだと思った。
また同じことがあったら…とモヤるのもイヤだったし。
夫に後で相談したら、
「勉強料だと思えばいいよ」と言った。
私は専業主婦だから、元々は夫のお金だからね。
夫がそう言うならそれでいい、と思った。
その後、後ろめたかったのか、そのママ友はお裾分けや何やら色々くれた。
チャラにしようと思ってるのか、不明だったが、私の中では、もう終わってしまった。
それから、父の具合が悪くなったりして、ママ友の集まりに疎遠になって、付き合いがなくなっていった。
私だけが断ってただけだけど。
たまに駐車場で会ったりしたら、子供の塾の話とか、当たり障りない立ち話はした。
その後、何年かして家の近くの店の前でバッタリ彼女と会った。
家の近くなのに自転車に乗っていた彼女に、
あれ?と、思ったら、彼女から一言。
「実は引っ越したんだ」と。
あんなにお互いの家を行き来する付き合いが何年もあったのに、引っ越すことをメールでも一言も無かったことにビックリした。
あー、彼女の中で私はその程度の存在だったんだ、と思った。
と、同時に、
「もうマンションの中で顔を合わすこともないんだ」
と思ったら、正直ホッとしてる自分もいた。
このブログを彼女が読んでいたら…と思うと書けなかったけど、もう、いっかー。
5年も前の事なので、自分の中で時効として書いた。
あー、スッキリ。